自助・共助
知っていますか?「自助」「共助」「公助」
地震の被害を少なくするキーワードとして「自助」「共助」「公助」という言葉を知っていますか?「自助」は、自分で自分自身や家族の安全をまもること、「共助」は隣近所や地域でお互いに助け合うこと、「公助」は自衛隊や消防、警察などの公的救助機関による救助活動のことです。
「自助」「共助」「公助」は都立公園にもあてはまります。都立公園のなかには、公的救助機関の活動拠点に指定されている「公助」の場となる公園もあります。一方、発災時には、自分自身で公園等の安全な場所に避難する「自助」、そして避難してきたみなさんと「共助」による助け合いが必要となります。
日頃の生活においても、地域で防災訓練を行うなどの「共助」、家具の転倒防止対策や防災用品を備えておくなどの「自助」の取り組みが大切です。

自助で身を守る
日頃からの備え
家具の転倒防止
重量のある家具は、転倒や落下で凶器となりえます。地震でのケガの大半は、家具類の転倒や落下物によるものです。L型工具で固定する、つっぱり棒と家具転倒防止ストッパーを組み合わせて使う、寝室の家具の配置を見直すなど、工夫してケガを予防する対策をとっておきます。

備蓄品の用意
災害に備えておく物品は、避難しなければならないときに持ち出す「非常持ち出し品」と、被災後の生活を支える「非常備蓄品」があります。
「非常持ち出し品」は、貴重品(預金通帳、印鑑、現金など)のほか、ランタンや軍手(厚手の手袋)、ヘルメットなどの安全に避難するために必要なもの、携帯ラジオと予備電池などの情報を得るためのもの、それから、最低限の衣類、食糧などを、リュックサックなどにすぐ持ち出せるよう詰めたものです。ウエットティッシュ、救急用品などの簡易衛生用品、小さな子どものいる家庭ではミルクやほ乳瓶、紙おむつなど、あるいは持病のある人は常備薬なども入れておきます。とっさの時に持って逃げられる大きさ・重さに抑えることがポイントです。
「非常備蓄品」としては、ライフラインが止まった場合に公助が機能するまでの目安といわれる、最低3日間分の食糧などを備えておきます。

家族間の相談
いざというときに備えて、家族で話し合い、災害時の対処方法、連絡方法、役割分担などを確認しておくことが大切です。通勤・通学手段が変わったり、子どもの成長に応じて備蓄すべき食糧が変化する、高齢者の状況が変わるなど、さまざまな要因で考えておくべき対策は変化します。一度決めたらそのままではなく、年に1回程度、家族全員で見直しを繰り返すことが必要です。
地震を感じた時の対応
揺れた!最初の対応
大きな地震の場合、揺れは数分間にわたり続くことがあります。揺れを感じたら、丈夫な机やテーブルなどの下にもぐって身を守ります。とくに、頭をしっかり守りましょう。落ち着いて、まずは自分の身の安全を確保します。
火事を防止しよう
地震のあとでもっとも怖いのは火災です。1923(大正12)年の関東大震災では、強風の影響もあり、10万人以上にのぼる犠牲者の最大の死因は火災によるものでした。
揺れている最中は、熱い鍋などがひっくり返り、事故につながる可能性もあるため、あわてて火を消そうとすると危険です。揺れがおさまってから、すぐに火を止め、ガスの元栓を締めます。もしも周辺のものに火がついてしまった場合は、小さいうちならば落ち着いて消し止めます。火の手が天井まで広がってしまった場合は、初期消火の対応できる範囲を超えていますので、周囲に声をかけながら直ちに避難します。
また、とくに寒い時期の場合、停電が復旧したときに、地震発生時に使用していた電気ストーブなどの電熱器の電源が入って出火することもあります(「通電火災」といいます)。避難所などに避難する場合には、ブレーカーを落としておくと安全です。

外に避難する
揺れがおさまり、火の始末をしたら、閉じ込められないようにドアを開けて避難口を確保します。割れた窓や家具などのガラスで足に怪我をすると、その後のスムーズな行動が難しくなるので、あらかじめ、家の中でも靴やスリッパをはいて動けるように用意をしておくと安全です。
外に出るときは、慌てて飛び出すと危険です。屋根がわらや看板などが落ちてくる危険性があるため、できるだけ、ヘルメットや防災ずきんなどの頭部を守る備えをして、周囲の状況を確認しながら必要に応じて避難します。
余震に注意
大きな地震が発生すると、その後長く余震がつづく場合があります。余震は、かなり大きな揺れになることもあります。地すべりなどが心配される場所や、くずれやすそうな建物の下などには近寄らないといった注意が必要です。
共助で身を守る
地域の協力
災害が起きたときには、地域で協力して被害を最小限に抑えたり、被災した人を救助することが必要です。阪神・淡路大震災の際、生き埋めになったり、建物・家具に閉じ込められた人のうち、約67%が自力で、あるいは家族に助けられたといい、約30%は友人、隣人や通行人に救助されたという調査結果があります。一刻を争うような災害直後の救助は、周りにいる人にしかできません。日頃から、地域の防災訓練に参加するなどして、いざというときに協力して対策にあたれる態勢を作っておくことが重要です。