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スイレンは、水草の仲間の浮葉を持つグループの総称です。
水位が安定している池などに生育し、地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべています。葉は深い切れ込みのある円形で、花は水面上に直径10cmくらいの花を咲かせ、夏の涼感を演出してくれます。
日本原産のスイレンの仲間に「ヒツジグサ(未草)」があり、その名は、未の刻(午後2時頃)花を咲かせることから名前が付いたとされています。実際は、明るくなると花が開き、暗くなると閉じます。
カキツバタは水湿地を好み、10cm程度の比較的大きな白色か濃紫色の花を咲かせます。花びらの真ん中に白色のすじが入るのが特徴です。
この花の汁を布にこすりつけて染めたことから、書き付け花といい、それがなまってカキツバタになったとされています。
平安の昔から歌に詠まれ、屏風絵にも描かれるだけあり、花色や花姿の完成度が高く美しい花。
国の天然記念物に指定されている石神井公園の象徴のひとつ、三宝寺池沼沢植物群落にカキツバタをはじめ、主に北方系の新水生植物が群落をなしています。
ハナショウブは、江戸時代に野生種であるノハナショウブを改良して作られた園芸品種です。花びらの真ん中に黄色のすじが入ります。花の色は、白、ピンク、紫、青、黄など多数あり、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると5,000種類あるといわれ、大きく分けて「江戸系」「肥後系」「伊勢系」、「長井古種」などの品種群があり、また明治時代に日本から観賞用に輸出され品種改良された「欧米系」という品種も存在します。
特徴 | 適地 | 開花期 | |
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アヤメ | 網目模様あり | 乾燥地に育成 | 5月 |
カキツバタ | 網目模様なし | 水中や湿った所に育成 | 5~6月 |
ハナショウブ | 網目模様なし 絞りや覆輪など花の色は様々 |
湿地や乾燥地どちらにも育成 | 6月 |
この名庭は寛永6年(1629)から水戸徳川家の中屋敷(明暦の大火後に上屋敷)として造成され、二代藩主光圀の代に完成。大泉水を中心に中国の景勝を配しています。引き入れられた神田上水跡が今も小川として残り、池畔の園路を左へ進んでいくと景色が一変し、田園風景が拡がります。都内では珍しい光圀公ゆかりの稲田があり、約70品種660株のハナショウブはその横にある菖蒲田に咲きます。
清澄庭園は江戸時代の下屋敷跡を、三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎が回遊式林泉庭園として作庭しました。庭園の西側には、かつてのこの庭の続きだった部分が開放公園として広がっています。菖蒲田は園内奥の自由広場と呼ばれる場所にあり、緑陰を背景にハナショウブが彩ります。規模は大きくありませんが、それだけに風情の楽しめる花風景です。
向島百花園ではいくつかの品種が池に沿った菖蒲田に植えられています。
都内で唯一水郷景観の広がる公園です。小合溜は享保年間(1716~35)に、徳川幕府八代将軍吉宗が江戸を洪水から守り、灌漑用水を確保するために行った治水事業でつくられたもの。池畔の菖蒲田には約100 品種20万本のハナショウブが咲き競い、都内最大規模の見事な風景を見せてくれます。
日本には、12種の野生種があり、山岳地帯を含む森林や草原に自生しています。代表的な種に、ヤマユリ、オニユリ、カノコユリ、ササユリ、テッポウユリ、オトメユリなどがあります。
一般的に栽培されているのは園芸品種で、その数は膨大です。
雨と日陰を好むアジサイは、気分が沈みがちな梅雨時期をしっとりと彩る風物詩として広く親しまれ、古来より日本人に愛されてきました。種類によって開花時期が異なり、ガクウツギの5月上旬からタマアジサイの8月まで長い期間楽しむことができます。用土の酸性度によって花の色が変わることから、「移り気」「浮気」といった花言葉も生まれました。江戸時代末期に長崎出島にやってきたオランダ人シーボルトも日本のアジサイに魅了され、多くの標本を国へ持ち帰りました。
ツツジ・サツキに続いて、梅雨時に約15品種1,000株のアジサイが見ごろを迎えます。庭内のそこかしこにやわらかに咲くアジサイの花は、和歌に見立てた繊細な景色にしっくりと調和し格別に美しく見えます。
ガクアジサイやアジサイのほかに、アマチャやコアジサイ、タマアジサイなどの野生種、八重咲きのガクアジサイとして知られた「スミダノハナビ(墨田の花火)」、ヤマアジサイの紅花品種の「クレナイ(紅)」など約15種・品種が植えられています。
園内全体に200~300株のアジサイがあり、三宝寺池付近では、珍しいタマアジサイも咲きます。
サービスセンター南側に位置するアジサイ園は、約730㎡あり、園内を代表する名所となっています。
毎年、6月初旬から中旬にかけて、ウズアジサイ・カシワバアジサイ・ガクアジサイ・スミダノハナビ・ジョウガサキ等、18品種、440株の色鮮やかなアジサイが咲き、篠崎公園のパークビュースポットとして皆様をお迎えしております。
オニバスは、植物全体に大きなトゲが生えており、これを鬼に例えて「鬼」の名が付けられています。4cm程の紫色の神秘的な花が咲きます。
日本では、環境の悪化や埋め立てなど環境の変化により、全国的に自生地の消滅が相次ぎ絶滅が危惧されており、環境庁のレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されています。
都内では唯一の自生地で、旧水産試験場跡地の池にオニバス自生地があり、貴重なオニバスが観賞できます。水元公園のオニバスは1984年に東京都の天然記念物に指定されています。
古い時代に中国から渡来したと考えられている多年草です。化石や種子が古い地層から発見されているので、日本に自生していたとも言われています。
ハスの名前は、果実が蜂の巣に似ていることから付けられ、奈良時代にはハチス、平安時代にハスと呼ばれるようになりました。
直径10~20cmくらい淡紅色・白色・紅色の花が咲き、花床は花のあと大きくなり、蜂の巣状になります。種子も食べることができます。秋になると地下茎の先端部が大きくなり、レンコンとして食用にされます。