多摩丘陵のいたるところで、たくさんの動物を見ることができます。
足もとや頭の上をよく見たら、素敵な発見があるかもしれません。
アカシジミ
雑木林で見られるゼフィルスと総称されるシジミチョウの仲間で、成虫期は年1回、5月下旬から6月です。幼虫はクヌギやコナラの葉を食べます。
アカボシゴマダラ
成虫はクヌギなどの樹液を吸い、幼虫はエノキの葉を食べます。関東で見られるものは中国南部原産のものが放されて野生化したものと考えられています。
イチモンジセセリ
はねに白紋が1列に並んでいるため、この名があります。成虫は初夏からいますが、8月後半から急に数が増え、花壇の花などでたくさん見られます。
イチモンジチョウ
林縁をゆったりと飛ぶ中型のチョウです。褐色の翅(はね)に一文字の白帯が特徴的ですが、翅に光が当たると、微妙な色の違いや模様が浮かび上がります。
ウラナミアカシジミ
アカシジミに似たゼフィルスの仲間で、アカシジミと同じ時期に見られます。幼虫は主にクヌギなどブナ科の葉を食べます。
オオスカシバ
からだが黄色く、透明なはねで素早く飛ぶためハチに似ていますが、ガの仲間です。昼間活動し、花の蜜を吸います。幼虫はクチナシの葉を食べます。
オオミズアオ
翅を広げると10cmほどもある大きなガの仲間です。5月頃と7月~8月頃の2回発生し、成長の寿命は1週間ほどしかありません。
オスグロトモエ
翅に巴形の大きな紋があるのが特徴的なの大型のガの仲間です。春と夏の2回発生し、春に発生する春型は、翅の裏面が赤色です。
カノコガ
黒地に鹿の子どものような白い丸紋が特徴のガで、昼間活動します。成虫は年に2回、今頃と晩夏に見られます。幼虫は毛虫で、食草はタンポポやシロツメクサです。
カラスアゲハ
翅は黒っぽいですが、青や緑色の光沢があり、見る角度によって微妙に変化する美しいチョウの仲間です。成虫は年2回春と夏に見られます。
クロヒカゲ
雑木林の内部など暗い林内や日陰を好むチョウの仲間です。幼虫の食草アズマネザサ等のササ類で、成虫はクヌギやコナラの樹液を好みます。
コミスジ
初夏と真夏の年2回発生します。オスははねの明るい色の部分が大きくてオレンジに近い色で目立ちます。メスは明るい部分が小さいです。
サトキマダラヒカゲ
タケ・ササ類を食草とする、里山の雑木林で普通に見られるチョウの仲間です。花の蜜を吸うことは少なく、樹液、果実等を吸うことが多いチョウです。
シモフリスズメ
霜降状の灰白色地に黒褐色紋のある翅をもつスズメガの仲間です。成虫は昼間は壁や樹木の幹などにとまって休み、夜になると活動します。
ジャコウアゲハ
オスは黒色、メスは黄灰色のアゲハチョウの仲間です。ほかのアゲハチョウの仲間と比べると、あまりはばたかず、ゆったりと飛びます。
ジャコウアゲハの幼虫
幼虫の食草は毒性のあるウマノスズクサで、幼虫時代に毒性のある葉を食べることで毒を体内に蓄積し、成虫になってもこの毒は体内に残り、鳥などに食べられるのを防いでいます。
スミナガシ
青緑色がかった灰黒色地に、白い小さな紋が散布されたような特徴的な羽をもつチョウの仲間です。雑木林の周辺で見られ、樹液によく飛来します。
ダイミョウセセリ
黒地に白帯のある翅が特徴のチョウの仲間です。地域によって翅の模様に違いがあり、東日本では白帯がはっきりしない「関東型」が、西日本では白帯が明確な「関西型」が多く見られます。
ツバメシジミ
明るい草地などでよく観察できる小さなチョウの仲間で、翅の表はオスは青紫色、メスは黒色です。燕尾のように飛び出た突起をこすり合わせる仕草をよく観察することができます。
トビイロスズメ
淡茶色地に不明瞭な茶褐色紋がある翅をもつスズメがの仲間です。7月~8月頃に発生し、よく灯火や誘蛾灯に飛来します。
ヒメアカタテハ
朱色時に黒い紋のあるやや小型のタテハチョウの仲間です。野原など開けた場所を好み、都市周辺から高原まで生息します。移動性が高く、夏から秋にかけてどんどん移動するチョウです。
ヒメキマダラセセリ夏型のオス
年2回、初夏と真夏に見られ、オスははねの内側がオレンジ色を帯びた黄褐色で、メスは濃褐色地にクリーム色の小さな紋があります。
ベニシジミ夏型
早春から晩秋まで見られる小さなチョウで、気温が低い時期にはオレンジ色の部分が明るい色合いですが、夏はこのような黒ずんだ色合いになります。
モンシロチョウ
野原や畑でふつうにみられるチョウの仲間です。幼虫の食草はキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科の植物です。奈良時代に大根の栽培と共に移入されたと考えられており、それ以降、それらの農作物の栽培に伴って分布を広げてきました。
アジアイトトンボ
平地~丘陵地の、水生植物の多い池沼や湿地、水田などで見られるイトトンボの仲間です。幼虫で越冬し、成虫は成熟するとオスは淡緑色で腹端が水色に、メスは緑色になります。
ウスバキトンボ
寒さに弱く幼虫も含め本州では越冬できません。成虫は毎年南方から飛来し、園内では7~10月頃見られます。はねの幅が広く、長時間飛んでいることが多いです。
オオシオカラトンボのオス
池のそばなどで5月末から9月頃まで見られます。目が黒く、成熟したオスの体色は青灰色です。
オオシオカラトンボのメス
メスと未熟な個体の体色は胴体が濃い黄色と黒です。ため池や水田のまわりの棒の先などによくとまっている姿を観察することができます。
オナガサナエ
中型のサナエトンボの仲間で、丘陵地の樹林に囲まれた河川上流域で見られます。幼虫(ヤゴ)は、比較的流れの速い、砂礫のあるきれいな水に生息しています。
オニヤンマ
緑色の複眼と、体の黄色と黒色の縞模様が特徴的な日本最大のトンボです。幼虫(ヤゴ)のままで越冬し、成長になるまで数年かかります。
キイトトンボ
池沼や湿地、湿原などに生息するイトトンボの仲間で、2010年版東京都のレッドデータブックでは南多摩でNT(準絶滅危惧種)に指定されています。毎年9月前半まで見られます。
クロイトトンボ
全体的に黒っぽく、胸部側面と腹部の先が青いのが特徴的なイトトンボの仲間です。平地や丘陵地の水草の多い池に生息していることが多いです。
クロスジギンヤンマ
4月末から7月まで見られる大型のトンボで、メスは単独で水面に浮いた枯草などにとまって丁寧に産卵します。
コオニヤンマ
大型のサナエトンボの仲間で、オニヤンマと外見が似ていますが、オニヤンマは植物の茎などに頭を上にしてぶら下がるようにとまりますが、コオニヤンマは地面に落ちた草などに体をほぼ水平にしてとまることで見分けることができます。
コノシメトンボ
トンボの仲間で、赤とんぼと呼ばれるトンボの一種です。成虫は夏から秋にかけて発生します。ノシメトンボに似ていますが、体格が一回り小型で、腹部がやや太めです。
ショウジョウトンボ
5月初めから9月頃見られ、未熟個体は胴体が淡黄色で、成熟したオスは頭から胴体まで真っ赤になります。
ネキトンボ
翅の付け根の部分が橙色をしていることから、「根黄(ねき)」と名前がついたトンボの仲間です。平地から低山地の木陰のある池でよく観察できます。
アオジョウカイ
カミキリムシに似ていますが、ジョウカイボン科という別の仲間の昆虫です。5~6月に見られ、成虫、幼虫とも他の昆虫を食べる他、成虫は花の蜜をなめることもあります。
ウバタマムシ
灰褐色のタマムシの仲間で、地味な姿から姥(うば)と名付けられています。幼虫はマツの弱った木や枯れ木の材を食べて成長します。
カブトムシ
大型の甲虫ですが、角があるのはオスだけで、主に夜、樹液や灯りに集まります。メスは夏の終わりに腐葉土に小さな卵を産みます。成虫はひと夏しか生きません。
カメノコテントウ
赤と黒の特徴的な模様をもった大型のテントウムシの仲間です。同じ甲虫であるクルミハムシの幼虫をなどを食べます。
キボシカミキリ
深緑色の体に薄黄色の斑点があるカミキリムシの仲間です。幼虫はクワ、イチジクなどの生木を食害し、都市郊外でもよく見られます。
クロカナブン
黒い光沢が美しいクロカナブンは、カナブンより遅れて7月末頃から見られます。成虫は雑木林の樹液によく集まります。
ゲンジボタル
日本最大のホタルの仲間で、成虫は6月~7月頃に発生します。沢など水辺に生息し、夜になると腹部末端を発光させて、光のシグナルで交信する。幼虫はカワニナなどの巻き貝を食べます。
コクワガタのオス
初夏から初秋まで見られるクワガタムシで、オスの大あごは個体差が大きいです。アキニレの樹液を吸っていました。夜間照明にも飛来します。
コフキゾウムシ
淡緑色が意外に美しい小型のゾウムシで、初夏から見られます。クズの葉のへりをギザギザにかじるため、食痕が独特です。クズの葉の上によくいます。
シロスジカミキリ
初夏から夏に見られる、本州では最大のカミキリムシで、長い触角が特徴です。雑木林に生息し、クリやクヌギなどの樹皮をかじって食べます。
タマムシ
赤い帯の入った緑色で金属光沢のある美しい外見をもつ甲虫の仲間です。この色は死後も色あせないため、昔は装身具や工芸品の装飾に使われることもありました。
ノコギリクワガタのオス
オスの大あごの内側にのこぎりのような歯が数多く並んでいることから名づけられたクワガタムシの仲間で、樹液によく集まります。体色は赤褐色から暗褐色まで変異があります。
アブラゼミ
はねが茶色で多摩丘陵の公園内では一番多いセミです。成虫は7月後半から10月前半まで見られオスはジージリジリ…と勢いよく鳴きます。
オオアメンボ
体が長く、脚もとても長い、日本最大のアメンボの仲間です。水面をゆっくり移動しながら、水面に落ちた昆虫を食べます。
ツクツクボウシの羽化
晩夏に多い小型で細身のセミで、ちょうど幼虫から成虫になったところです。初めはからだが青白くてきれいです。抜け殻は白っぽくてつやがなく細いです。
ニイニイゼミ
まだら模様の翅をもつ小型のセミの仲間で、他のセミよりも比較的早くから鳴き始めます。抜け殻は他のセミのそれよりも小さくて丸っこく、全身に泥をかぶっているので容易に見分けがつきます。
ヒグラシのオス
やや暗い林に多く、成虫は7月上旬から9月まで見られます。オスは朝夕にカナカナ…と澄んだ音色で鳴きます。抜け殻はつやがあり猫背で細長いです。
ヒグラシのメス
オスより胴体が短く、ミンミンゼミを小さくした感じです。色は茶褐色に灰黄緑色の線が目立ちます。メスは鳴きません。
ミンミンゼミ
夏に発生するセミの仲間で、オスは「ミーン、ミン、ミン、ミーー」と勢いよく鳴きます。ヒグラシなどに似ていますがより大きく、黒褐色、濃緑色、白の三色が目立ちます。
ヨコヅナサシガメ
光沢のある黒色で、黒白の縞模様になった腹部側面が広く張り出しているのが特徴的なカメムシです。成虫、幼虫ともに他の昆虫などを食べます。
オオスズメバチ
世界最大のスズメバチの仲間です。樹木の洞や、土中の空洞など巣を作り、コナラやクヌギの樹液によく飛来します。毒性は極めて強く、また気性も荒いため、野外で出会ったら刺激しないよう、注意が必要です。
コガタスズメバチ
オオスズメバチを一回り小さくしたようなスズメバチの仲間です。樹木の中や建物の軒下にボール型の巣を作ります。
オオカマキリ
カマキリの仲間で、成虫は例年8月下旬から晩秋に見られます。体色は緑色と褐色の両型あり、幼虫の時から色は違っています。他の昆虫を捕らえて食べます。
オンブバッタ
8月中旬から11月に成虫が見られ、淡褐色のものもいます。ショウリョウバッタより寸胴でからだが小さく、メスはオスの倍くらいあります。
クルマバッタ
丘陵地や山間部の草地に多い、緑色の体と茶色と白色に塗り分けられた翅をもつ大型のバッタの仲間です。トノサマバッタに似ていますが、翅に明瞭な白帯があることと、背中が少し盛り上がっていることで見分けることができます。
ショウリョウバッタ
7月下旬から10月に成虫が見られ、淡褐色やたてすじ模様のものもいます。オンブバッタより細身で、メスはオスの倍くらいの大きさです。
ハラビロカマキリ
主に樹上や茂みの上で見られ、成虫はおなかの幅が広いのが特徴です。幼虫のおしりは上を向いています。褐色型もいますが緑色型が多く、卵塊は円筒形です。
ヒメギス
黒っぽい体に頭から背中にかけて緑色が入る中型のキリギリスの仲間です。田んぼや池の周りの湿っぽい草地でよく見られますが、警戒心が強く、逃げ足が速いです。
ナナフシモドキ
木の枝にそっくりな姿をしていて、見つけにくい昆虫です。この写真では手前の木の幹の左側にたてにとまっています。成虫は真夏に見られ、はねがありません。