多摩丘陵のいたるところで、たくさんの植物を見ることができます。
足もとや頭の上をよく見たら、素敵な発見があるかもしれません。
ギンモクセイ
モクセイ科の常緑小高木で、キンモクセイはこのギンモクセイの変種です。単にモクセイとも呼ばれることがあって、キンモクセイ同様、花には香気がありますが、キンモクセイほど強くはありません。雌雄異株で、果実は翌年の春に黒褐色に熟します。
コウヤボウキ
キク科の落葉小低木で、雑木林の下で見られ、白色~ピンク色の花が晩秋に咲きます。冬に地面に落ちた枝から春に若葉が芽吹きます。高野山で細くて上部は茎を束ねて箒の材料にしたので、この名が付けられました。
シロダモ
雑木林に自生するクスノキ科の常緑高木で、葉の裏が白く、春の芽生え時の若葉も白いのが特徴です。雌雄異株で、花期は11月の初めころです。雄花・雌花ともクリーム色です。花が終わって1年かけて赤い実が熟すので、花と実が同時に見られます。
チャノキ
ツバキ科の常緑低木で、葉を加工したものが、緑茶やウーロン茶、紅茶になる製茶用の作物として有名ですが、大気汚染にも比較的強いため、庭木や生垣などにも利用されています。
ヌルデ
ウルシ科の落葉高木で、葉軸(ようじく)に翼があるので見分けやすいです。和名はかつて幹を傷つけて白い汁を取り、塗料として使ったことに由来します。
ハリギリ
手の平型の大きな葉が特徴のウコギ科の落葉高木で、雑木林に自生しています。ヤツデの花に似た丸く放射状の花序の花が10月中旬前後に咲きます。
ヤツデ
ウコギ科の常緑低木で、球状の花穂に黄白色の花をたくさん咲かせます。ヤツデという名前は掌状の葉から付けられましたが、葉は奇数に裂けるため、8つに裂けた葉はほとんど見られません。
サザンカ
ツバキ科の常緑小高木で、花期は10月後半から翌春までと長く、ツバキに似ていますが、花弁がばらばらに散ります。日本では昔から親しまれている樹木で、たくさんの園芸種(約300種)があり、花色も咲き方も多岐に渡ります。
ジュウガツザクラ
バラ科の落葉小高木で、エドヒガンとマメザクラの自然交配種から作り出された園芸品種のサクラです。全体のつぼみの三分の一が10~12月に少しずつ開花し、残りのつぼみが4月上旬に開花します。小輪で淡紅色の花は八重で花びらは10数枚あります。
ヤマハギ
マメ科の落葉低木で、林縁や草地で見られ、花は7月~9月頃まで楽しめます。「萩」というと普通ヤマハギの仲間(ヤマハギ亜属)を意味することが多いです。
キンモクセイ
モクセイ科の常緑高木で、日本には江戸時代に渡来して、庭木として観賞用に植えられています。雌雄異株の樹木ですが、日本には雄株しか入っていませんので結実はしません。花期は9月末から10月上旬で、香りが強いです。花は観賞用以外にも食用や薬用に利用されます。
ツルグミ
幹や枝がつる性になるグミ科の常緑低木で、晩秋に淡橙色の花が咲きます。果実(偽果)は4月に赤く熟します。
ミヤギノハギ
マメ科の落葉低木で、ケハギから作られた品種、または多種との雑種と考えられている園芸品種です。和名は、宮城県に多く自生しているため、歌枕の宮城野の萩にちなんで命名されました。
アオツヅラフジの実
雑木林のへりで見られる、ツヅラフジ科のつる性落葉樹です。濃い藍色の丸い実が秋に実りますが、有毒です。
アラカシの実
ブナ科の常緑高木で、ドングリのひとつである果実は熟すと褐色になって地面に落ち、ネズミやリス、カケスなど様々な動物の食料となります。
カキノキの実
カキノキ科の落葉高木で、熟した果実は食用とされ、幹は家具材として用いられます。また、果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として使われます。現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地でも)で果樹として栽培されています。
ガマズミの実
雑木林に自生している他、植栽もされている落葉低木です。5月ごろに白い花が咲き、秋に赤い実が実ります。鳥に食べられた後フンと一緒に排出されることで遠くまで移動し、子孫を増やします。
カマツカの実
雑木林に自生しているバラ科の落葉低木で、秋に赤い実が熟します。晩秋に葉が紅葉します。4月後半に白い小さな花が集合して咲きます。
クコの実
ナス科の落葉低木で、食用や薬用に利用されます。アンチエイジングや美容などによく効くスーパーフードとして人気のゴジベリーは、本種の実です。
クサギの実
雑木林に自生する落葉小高木で、星型の赤紫色のがくの上に丸い藍色の実がなります。晩秋には実が落ちて赤紫色のがくが目立ちます。葉はピーナッツに似た臭いがします。
クスノキの実
葉によい香りがする常緑高木で、園内では植栽されているものしかありません。5月頃にクリーム色の地味な花が咲きます。
クリの実
ブナ科の落葉高木であるクリの実も広い意味ではどんぐりの一種で、生きものたちの貴重な食料となります。5月から6月にクリーム色の香りの強い花を咲かせます。
ゴンズイの実
雑木林に自生するミツバウツギ科の落葉小高木で、赤い皮の中に黒い実が実ります。晩秋に葉が赤褐色に紅葉し、落葉後は枝先に大きな冬芽が目立ちます。
サネカズラの実
マツブサ科の常緑つる性木本で、雌雄異株で、雌花の花床(花びらなどがつく部分)は結実すると膨らんでいき、キイチゴに似た丸い集合果になります。
サンシュユの実
ミズキ科の落葉小高木で、日本には江戸時代に薬用植物として栽培されるようになりました。果実は内部の種子を取り出して乾燥させ、生薬として使われます。また、果実酒として利用することもできます。
センリョウの実
センリョウ科の常緑小低木で、冬に美しい赤い実を付けるので、よく栽培されています。名前がめでたいので、マンリョウなどとともに正月の縁起物とされています。
ナツミカンの実
ミカン科の常緑小高木で、明治期には萩藩において、職を失った武士に夏みかんの栽培が奨励されたため、山口県、特に萩市で多く栽培されています。
ナンテンの実
メギ科の常緑低木で、中国原産の樹木です。江戸時代には様々な葉変わり品種が選び出されて、盛んに栽培されました。今では古典園芸植物として、その一部が保存栽培されています。
マユミの実
ニシキギ科の落葉小高木で、白い花が5月中旬頃に咲きます。雌雄異株(しゆういしゅ)の植物で、雌株には秋に赤い実がなります。
ムラサキシキブの実
雑木林に自生しているシソ科の落葉低木です。名前の由来は平安時代の女性作家「紫式部」ですが、元々「ムラサキシキミ」と呼ばれていたためこの名が付けられたという説があります。なお「シキミ」とは重なる実=実がたくさんなるという意味です。
ヤブコウジの実
樹高10㎝ほどですが冬も緑の葉がある、サクラソウ科の常緑小低木です。雑木林に自生しています。晩秋には赤い実がなり、センリョウ、マンリョウに対し俗に十両と呼ばれます。
ヤブムラサキの実
シソ科の落葉低木で、秋に紫色の実をつけます。ムラサキシキブは葉の両面がほぼ無毛か少し毛があるのに対し、本種は葉の両面とも毛深く、なめらかな手触りです。
イチョウの黄葉
イチョウ科の落葉高木の裸子植物で、現存する唯一のイチョウ綱に属する植物です。現在は街路樹などとして全国で普通に見られますが、イチョウ科の植物は氷河時代にほぼ絶滅してしまいました。
イロハモミジの紅葉
ムクロジ科(カエデ科)の落葉高木で、日本、朝鮮半島、中国、台湾に分布しています。紅葉を代表する樹種で、本種からつくられた園芸品種のモミジもたくさんあります。
ウワミズザクラの黄葉
バラ科の落葉高木で、葉は晩秋に淡い黄色に黄葉することが多いです。4月後半に小さな花がたくさん集まって白いブラシのように見える花を咲かせます。
クロモジの黄葉
雑木林に自生する他、植栽されることもある落葉低木です。葉によい香りがあり、ようじの材料に使われます。葉は黄色に染まります。4月前半に黄緑色の花が咲きます。
ケヤキの紅葉
町田市の木にも指定されているニレ科の落葉高木で、葉は秋に黄色~赤茶色に染まります。箒(ほうき)を逆さにしたような樹形が美しく、街路樹や庭木などとしてよく植えられています。
シマサルスベリの紅葉
ミソハギ科の落葉高木で、樹皮は同属のサルスベリほどではないものの滑らかで、はげ落ちやすく、はげ落ちたところは白い木肌が見えて斑模様になります。またサルスベリと比べるとかなり背が高く、花色も白だけです。
ダンコウバイの黄葉
雑木林に自生しているクスノキ科の落葉低木で、葉にはよい香りがあります。3月に黄色い花が咲きます。
トウカエデの紅葉
ムクロジ科の落葉高木で、公園樹や街路樹としてよく用いられます。晩秋になると葉が紅葉し、日当たりのよい場所の葉は赤く染まり、日当たりが悪いと黄色く染まります。
ドウダンツツジの紅葉
ツツジ科の落葉低木で、晩秋に真っ赤に紅葉する様子が美しく、庭木や植込みなどとしてよく植栽されています。
ニシキギの紅葉
ニシキギ科の落葉低木で、秋になると紅葉しますが、その時期は個体差が大きいです。枝に「翼(よく)」と呼ばれるコルク質の板状の出っ張りが出るのが特徴です。
モミジバフウの黄葉
フウ科の落葉高木で、秋になると紅葉し、赤い葉もありますが、黄色い葉の方が多いです。モミジと似た葉ですが、葉は互い違いにつきます。花は4月頃に咲きます。
ヤマグワの黄葉
クワ科の落葉低木~高木で、秋になると葉が主に黄色に染まります。葉は切れ込み方に個体差がある上、左右対称ではなく様々な形をしています。
ヌルデの虫こぶ
ウルシ科の落葉低木で、実のように見えるのは、ヌルデシロアブラムシが寄生した葉の虫こぶです。この状態の葉は多くのタンニンを含むようになり、お歯黒や染料に使われました。