多摩丘陵のいたるところで、たくさんの植物を見ることができます。
足もとや頭の上をよく見たら、素敵な発見があるかもしれません。
アオツヅラフジ
ツヅラフジ科のつる性木本で、林のへりなどに生えます。花は雌雄異株(しゆういしゅ)で、秋に藍色の実がなります。
アカメガシワ
雑木林に自生するトウダイグサ科の落葉高木で、クリーム色の花が穂になって7月上旬頃まで咲きます。葉は秋には黄色く黄葉します。新芽が鮮紅色をしていること、そして葉が柏のように大きくなることからアカメガシワと呼ばれるようになりました。
アベリア
スイカズラ科の半常緑低木で、19世紀中期にイタリアで作り出された交配種です。白いラッパ型の花がたくさん咲かせます。
イボタノキ
モクセイ科の落葉低木で、林縁や道路脇などの明るいところに生える陽樹です。イボタノキの樹皮の上にはイボタロウムシが寄生しますが、このカイガラムシの一種が分泌する「いぼた蝋」は蝋燭の原料や日本刀の手入れ、また戸の滑りをよくするために敷居に塗るなどして利用されます。
カシワバアジサイ
アジサイ科の落葉低木で、葉にカシワの葉のように切れ込みがあり、白い花がやや細長い花序となって6月頃咲きます。
カラスザンショウ
雑木林に自生し、幹や枝にはランダムに多くのとげが生えているミカン科の落葉高木です。葉はモンキアゲハなどの幼虫が食べます。
クサギ
クマツヅラ科の落葉小高木で、花はよい香りがします。花期は7月末から9月初め頃です。葉はピーナッツに似てくさいため、クサギと呼ばれます。秋に熟す果実は紺色で、その下に真っ赤なガクが残り、そのコントラストが良く目立ちます。
クマノミズキ
雑木林に自生する落葉高木で、よく似たミズキとは花期が約1か月遅いこと、葉が対生につくこと、若枝に稜があることなどの違いがあります。昆虫が大好きな花で、お盆状の花の上はたくさんの昆虫たちでごった返します。
クリ
春に咲く同じブナ科のコナラやクヌギは風媒花なのに対し、クリの花にはたくさんの昆虫が蜜を吸いに訪れます。花期は5月末から6月中頃です。
センニンソウ
キンポウゲ科のつる性の低木で、8月~9月頃に日当たりのいい所に生え、見頃になる頃には辺り一面が白く目立つほど群れて咲きます。
タイサンボク
モクレン科の常緑高木で、北アメリカ中南部原産の樹木で、日本では公園樹としてよく植えられています。樹高20mにもなる樹木ですが、剪定にもよく耐えるので庭木としてもよく植えられています。
トウネズミモチ
モクセイ科の常緑高木で、6月から7月頃に黄白色の花をたくさん咲かせます。花は遠くからでもわかる強い芳香があり、多くの昆虫が集まります。公害に強いことから、公園などにもよく植栽されます。
ナツツバキ
ツバキ科の落葉高木で、樹皮は赤っぽい色をしていてツルツルしているので、地方によっては「サルスベリ」という別名もあります。また、仏教の聖樹であるフタバガキ科の裟羅樹・さらのきに擬せられて、「シャラノキ」という別名もあります。
ヒメシャラ
ツバキ科の落葉高木で、よく似たナツツバキよりひとまわり小さな白い花が6月下旬にさしかかる頃まで咲きます。
リョウブ
リョウブ科の落葉小高木で、雑木林に自生しています。よく樹皮がぺらぺらはがれています。7月初め頃に白い花が穂になって咲きます。昔は飢饉のときの救荒植物として若葉が食用に利用され、現在でも「令法(りょうぶ)飯」などの材料になる山菜として利用されます。
コマツナギ
マメ科の落葉小低木で、草刈り手入れされる草原や路傍などに多く見られ、花穂に濃いピンク色の花を咲かせます。丈夫なので、これに馬を繋いだことから、「駒繋ぎ・こまつなぎ」と呼ばれるようになったと言われています。
ザクロ
ミソハギ科の落葉小高木で、庭木などの観賞用に植栽されるほかに、果実は果物として食用になります。世界各地で栽培されていますが、特にトルコから中央アジアにかけてはポピュラーな樹木です。
サルスベリ
サルスベリはミソハギ科の落葉中高木で、幹の生長に伴い、古い樹皮のコルク層が剥がれ落ち、新しいすべすべした感触の樹皮が現れることから、猿も滑って落ちるとして、サルスベリの名前がつけられました。花期が7月~10月と長いため、百日紅(ひゃくじつこう)という別名もあります。
シモツケ
バラ科の落葉低木で、初夏に桃色または白色の集合花を咲かせ、秋には紅葉することから、古くから庭木として親しまれてきました。名前の由来は、本種が下野・栃木県で最初に発見されたからと言われています。
ネムノキ
マメ科の落葉高木で、明るい雑木林に自生する他、植栽にも用いられる樹木です。ピンク色のふわふわした花が6月下旬から7月上旬にかけて咲きます。和名のネムは夜になると葉が閉じる就眠運動に由来しています。
ハコネウツギ
スイカズラ科の落葉低木で、日本固有種です。5月から6月頃に咲く花は白から薄いピンク、そして濃い紅色へと変化することが特徴です。名前にハコネがついていますが、箱根に自生するものは少なく、海岸近くに多く自生しています。
マルバハギ
マメ科の落葉低木で、大人の背丈ほどになる木ですが、草のような性質も備えているので、半低木ともされています。ハギは秋の七草のひとつですが、それは本種のマルバハギ、または同属のヤマハギであるとされています。
ムクゲ
アオイ科の落葉低木で、日本には奈良時代に中国から渡来しました。庭木として広く植栽されるほか、垣根に利用されることもあります。夏の御茶事の生け花として飾られたりもします。
キンシバイ
5月末から6月にかけて黄色い花が咲く、オトギリソウ科の落葉低木です。江戸時代に観賞用に渡来しました。和名は、花の形が梅によく似ていて、糸が黄色なので金糸梅・きんしばいとつけられました。
ビヨウヤナギ
オトギリソウ科の半落葉小低木で、花期は5月末から6月頃です。キンシバイに似ていますが、おしべが長いことが特徴です。中国原産の樹木で、日本には江戸時代に渡来して観賞用に栽培されています。
アジサイ
アジサイ科の落葉低木で、6月から7月初めにかけて開花し、萼(がく)が大きく発達した装飾花をもちます。初夏あるいは梅雨時期の風物詩として広く親しまれています。
ガクアジサイ
アジサイ科の落葉低木で、日本原産のガクアジサイを改良したアジサイの一品種です。花を一塊として見ると、中心部にある紫色の珊瑚状のものが花・両性花で、その周辺部にある小花のように見えるものは装飾花・萼片です。この構造が額縁のように見えるということでガクアジサイの名前がつきました。
コアジサイ
雑木林に自生する落葉低木で、普通のアジサイより一足早く咲いて6月中旬には咲き終わってしまいます。小さな両性花だけが集まって咲きます。
セイヨウアジサイ
アジサイ科の落葉低木で、6月から7月にかけて青色やピンク色の花を咲かせます。日本原産のガクアジサイ由来のいくつかの品種がヨーロッパで品種改良され、すべてが装飾花になったものが日本に逆輸入されたものです。
センダン
センダンはセンダン科の落葉高木で、5月から6月頃に薄紫色のたくさんの花を咲かせます。なお、「栴檀は双葉より芳し」のことわざの中の栴檀は中国名で、本種ではなく、日本で言う白檀を指しています。
タマアジサイ
林に自生していて、つぼみが丸いためこの名があります。花期はアジサイ類としては遅く、8月中旬から9月上旬頃に、たくさんの小さな薄紫色の両性花を白い装飾花が囲むように咲かせます。
トケイソウ
トケイソウ科の落葉つる性低木で、中央アメリカや南アメリカの熱帯・亜熱帯地域が原産地ですが、世界中で観賞用に広く栽培されています。和名は三つに分裂した雌しべが時計の長針、短針、秒針のように見える特徴的な花を咲かせることに由来します。
ムラサキシキブ
雑木林のへりに自生するシソ科の落葉低木で、薄紫~ピンク色の花が7月上旬頃まで咲きます。秋には紫色の実がなります。
ヤブムラサキ
シソ科の落葉低木で、紫色の花を咲かせます。ムラサキシキブは葉の両面がほぼ無毛か少し毛があるのに対し、本種は葉の両面とも毛深く、なめらかな手触りです。
ヤマアジサイ
アジサイ科の落葉低木で、山中で沢筋によく見られることからサワアジサイとも呼ばれます。ガクアジサイと比べて花の色が多様性に富み、白色、青色、赤色などがあります。
イヌザンショウ
ミカン科の落葉低木で、サンショウに似ていますが、香りは弱く、とげが互い違いに生える、といった違いがあります。また、サンショウの花は4月頃咲きます。
アオハダの実
丘陵地に多いモチノキ科の落葉高木で、クリーム色のような淡黄色に黄葉します。外皮を剥ぐと緑色をしていることが和名の由来です。
エゴノキの実
5月下旬頃に白い花が咲く落葉高木で、果肉にはサポニンという毒が含まれており、古くは石鹸の代わりに使われていました。人間にとっては食用になりませんが、秋に果肉が干からびると、中の種をヤマガラが食べに飛来します。
キブシの実
早春の雑木林にクリーム色の花が咲きます。雌雄異株で、雌花が終わるとブドウの房状の実が出来ます。
ニガイチゴの実
花は4月後半頃咲き、赤い実が今ごろなる木イチゴの仲間です。よく似たモミジイチゴの実はオレンジ色で、どちらも野鳥の貴重な食べ物になります。